Vilhelm Hammershoi ハマスホイとデンマーク絵画 その2

山口県立美術館まで観に行ってきました、ハマスホイ。
行ったら2時間待ちでした。

ハマスホイ 缶バッチ

1階はデンマーク絵画の黄金期を築いた作家たちのコーナーでした。
時間制限付きの展覧会だったため、1階は30分滞在が決まっていました。時間になるとグループごとに移動します。
40点あったかな。ちょうど時間ぴったりに全部見終わる感じでした。

風景や日常の生活の一瞬を捉えている作品が多かったです。

デンマークの伝統的な風習、ヒュゲ。くつろいでいて心地よい雰囲気を美しく表現したヴィゴ・ヨハンスン。風景の全体的な印象を大事にして独特の情趣を表したユーリウス・ポウルスン。過酷な環境で厳しい仕事もあるけど、家庭に帰って癒しているのでしょうね。それに思いでなども大切にして、自分と向き合う時間にゆっかり思いをはせている。デンマークって暖かいのだなぁと思いました。

2階になると19世紀になりました。突然画面に女の人が現れます。女性が料理の下ごしらえをしているところ。
女性が読書をしているところ。少女も出てきます。少女がピアノを弾いているところ。少女が裁縫をしているところ。などなど。
だんだんと絵画の中の女性は後ろを向いていきます。フェルメールを少し優しくしたような光の淡さで、室内の家具や鏡台や壁にかかった絵画など、モチーフが多めです。女性を取り巻くその場の一瞬を空気ごと固めたような感じでした。女性が描かれていない絵もありましたよ。でも、あたかもさっきまで誰かがいたような雰囲気が絵画から醸しだされるのです。

『室内画の画家』として知られているハマスホイですが、外に立ってる建築の絵もありました。
若い画家の勉強になりそうな見事なパース!
なんだかハマスホイって他の作家たちよりも、色相が少なく、モチーフも少なく、輪郭がぼんやりなんですかね。
室内だろうが、建築だろうが、風景だろうが、『雰囲気』を自分のものにできる人だったのでしょう。

女の人が背を向けている室内の絵って2枚しかなかったーーーーー!!

ハマスホイらしいモノクロームの室内で女性のうしろ姿のある絵。こんだけしかないのかーーーっていうのが正直な感想でした。でも誰もいない室内に光だけがある絵をみていると、モチーフ(登場人物)に集中するんじゃなくて、空間全体をモチーフに描くことが、ハマスホイは本当にしたかったことだったのかなぁと思えてきました。

後半は誰もいない部屋の、扉や窓の絵が5点ほどありました。

とても寒かったのですが、面白かったです。東京でも展覧会があったようですが、その全部が山口県で公開されているわけではなかったみたいです。ま、小さい地方の美術館ですからね。全部は入りきれないのでしょうか。

最後のあたりで、絵の中に描かれているパンチボウル?という食器と銀のお盆の本物が展示されていましたよ。
パンチボウルは割れていて、鎹によって繋ぎ合わされている。それも絵に描かれていました。
絵と食器とお盆が今回の展覧会で初めて一緒の空間にそろった、って説明に書いてあったような。それは山口県だけなのかしら。

CREATOR

奈扇
山口芸術短期大学で吉村芳生に学び、名古屋造形大学総合造形コースに編入した後はインスタレーションやコンテンポラリー表現に触れる。

手段は自由で、概念を視覚化しスタイルを自分で作っていくところが現代美術の魅力だと思っています。



主な制作歴
2008年 国際交流展transit in 香港
2009年 国際交流展transit In 名古屋
2014年 コンテンポラリーミニテキスタイル公募展 入選
2018年 シンフォニア・アート展
2018年 ACTアート展
2019年 柳井市美展 奨励賞
2020年 日本文藝アートコンペティション 奨励賞
2020年 いろやの0号展
2021年 いろやギャラリー 個展
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